この状況を
変えてくれたのは
彼の父親だった。
無言で彼の腕をつかみ
外へ連れ出した。
彼
「は?どこ連れてくんだよ!?
ちょっ!待ってって」
彼が私たちの顔を交互に
見ながら、渋々
家から出ていった。
彼の母親も二人の後を追って家から出て行った。
リビングに
奥さんとお子さん、
私の三人となり、
とても…とても長い長い
沈黙が続いた。
そして、意を決した顔で
私の事を見た。
奥さん
「あんな最低の男いらない。
今すぐにでも離婚します。
あなたも…あの人に
騙されていた被害者です。
なので…
慰謝料の請求はしません。」
自分がとても辛い
状況だろうに
私のことまで
気にかけてくれた。
なぜ…こんなに
いい奥さんがいながら彼は