夫は狼狽えながら、
リョウ
「え、えっと…、
その…隣にいる弁護士さんて
ホンモノ?
離婚って本気なのか…?」
…だってさ。
なんて呑気なこと。
こっちが脱力しちゃう。
リョウ
「冗談にしては
手が込み過ぎてないか?」
…だなんて。
現実が見えていないにも程があるよね。
思わず真顔で
夫を見つめちゃったよ。
多分真顔のつもりだったけど、
般若の形相だったみたい。
弁護士さんが
弁護士
「ちょっ…キヌ子さん、
落ち着いてください!」
って慌てたような口調だった。
私は一旦深呼吸をして、
できるだけ落ち着いて話した。
キヌ子
「冗談だと思います?心外です。
…そうですか。
あなたにとっては全て、
冗談で済ませられること
だったんですね。
家事育児の分担を
一緒にしようって言いながら、
ほぼ全て私に丸投げして
自分は趣味に没頭してましたよね」