どんなに助けを求められようが
私には関係がない。
キヌ子
「それなら
生き甲斐のゴルフに行けば
いいんじゃないですか?
夢中になってるうちに
熱も腫れも引くかもしれませんよ」
リョウ
「お前ふざけてるのか…」
グダグダ言ってくる夫が
面倒くさくなって、反応を遮った。
キヌ子
「ねぇ、埒が明かないからもう切るわ。
お母さんがね、
特製プリンを
一緒に食べようって言ってるの。
可愛いリコも待ってるし
あなたに構っている暇なんてないから」
一方的に捲し立てて、
スマホの電源をブッチした。
メールも受信拒否、
LINEもブロックしようと思ったけど、
離婚の手続きやら何やらで
絶対に必要になるだろうから、
やめておいた。
あれからも夫から
「看病してくれ、助けてくれ」
メールがガンガン届いたけど、
全部丸無視。
私に取り付く島もないとわかると、
友人に頼み込んでどうにか
病院に連れて行ってもらったらしい。