キヌ子
「あなた、言ったわよね?
小さなリコに対して、
熱が40度超えてなければ
冷えピタ貼って寝かせて
放っておけばいいって。
だから私もその通りにするわ」
助けを求める夫に対して
冷たく言い放ってやった。
リョウ
「ドラッグストアで売ってる薬を
飲んだのに、効かないんだよ。
あぁ…
熱が上がって来た気が…」
キヌ子
「薬も飲んだのなら、
なおのこと平気じゃないの?
黙って寝てれば?
そのうち治るでしょうよ」
リョウ
「俺が辛いって言ってるんだろ。
早く助けに来いよ!」
…ハァ?
何様の言い分だコンニャロ!
ブチって私の中で
何かが切れる音が聞こえた。
キヌ子
「ふざけるのもいい加減にして。
何があっても
そちらには行きません」
リョウ
「そんなこと言わないでくれよ。
本当にマズいんだ…」
私に突き放された夫は
どうすることもできない。