
どう考えてもユリエはアブナイ人なので、
慰謝料の請求は止めた。
変に刺激をして
また何かされたら堪らない。
現在、息子は小学校進学を控えている。
元夫とは1ヵ月に1回のペースで
面会をしており、
会った時は嬉しそうだ。
だけど…
レン
「僕ね、お父さんも好きだけど、
おじいちゃんとおばあちゃんのほうが
うんと好きなんだ!
でもね、お母さんが一番!」
…と耳打ちしてくれた。
小学校に上がるから、と
「パパママ」呼びから
「お父さんお母さん」呼びに変えたのは、
硬派な父の影響だ。
元夫は未だにユリエから
逃げ回っているらしい。
ユリエはユリエで
20代の半ばという花の時間のほとんどを
元夫に捧げたこともあり、
諦めきれないみたいだ。
仕事場にも姿を現すそうで、
元夫は神経をすり減らしている。
何で知っているかって、
息子の面会の時に
すこしやり取りをするから。
私は
私
「そっかー。大変だねー」
としか返していない。
夫も単に愚痴をこぼしたいだけだと思う。
まあ、自分で蒔いた種だから
自分で刈り取るのが筋ってもんでしょ。
私は両親と息子と、
ささやかながら幸せな日々を
これからも過ごしていく。
終わり