浮気

優しいマイホームパパの裏の顔… 【13話】

 

 

元夫の実家凸の前は、

結構な頻度で元夫からの着信があった。

しかし父による撃退の後はピタリと止み

慰謝料と養育費の取り決めと振り込みも

ある程度、目処が立った。

これで一件落着かと思いきや、

奴が現れた。

メンヘラユリエだ。

私と元夫がかつて住んでいた家は、

私の実家からそんなに離れていない。

だって息子が幼稚園を転園しなくても

通える範囲なのだから。

夫はかつて、ユリエに

私の実家が近いことや

あろうことか町名すら

伝えてしまっていたらしい。

それを頼りに実家を特定したのだから

恐れ入る。

いや、マジで怖かった。

メンヘラあるあるなのか、

実家の前で喚くユリエ。

たまたま家にいた父が

 

 

「お父さんを頼りなさい」

 

 

そう言ってくれたので、

お言葉に甘えることにした。

玄関から出てきた私を見て

つかみかかろうかという勢いで

向かってきたユリエは、

背後の父に気づくと急に

トーンダウンしてしまった。

しかし、ユリエは

不屈の精神を持っていたようだ。

気を取り直したのか、

 

 

ユリエ

「ちょっと!あんたトウマに

何を吹き込んだのよ!?」

 

 

と早速キレ出した。