浮気

優しいマイホームパパの裏の顔… 【10話】

 

私は頑として動かず、

 

 

「ちゃんと受理されたから無理。

私も婚姻不受理届を提出したの

あなた、勝手に

婚姻届を出そうとしても無駄よ」

 

 

そう告げると

また半ベソをかき出したので、

元夫の腕を振り払って

実家に帰って来た。

本当、実家が近くて良かったよ

(2回目)。

実家に身を寄せて10日も過ぎると、

息子も新生活に慣れてきたようだ。

たまによその父子をみかけて

羨ましそうにする姿には胸が痛くなる。

養育費の取り決めや慰謝料については

元夫宅に郵送してある。

このあたりをキチンとするまでは

絶対に息子と面会はさせない

と、心に決めていた。

そんなある日、息子の昼寝中に

母が私を呼びに来た。

 

 

「キヌ子…。

今玄関先にトウマ君が来て、

キヌ子に会わせろって

聞かないんだけど…。

どうする?」

 

 

とうとう来たか…。

私は元夫の相手をするべく

強い意志をもって玄関に向かった。

 

 

トウマ

「なあ!キヌ子、

俺、ユリエと別れたよ!

だからもう1回俺とやり直そうよ!」

 

 

と、婚姻届を片手に迫ってきた。