私
「こういう関係の人だから、
無理もないけど…。
息子に矛先が向いたら
後悔してもしきれないじゃない?」
私は興信所から受け取った証拠を
テーブルに並べた。
真っ青を通り越して
いっきに真っ白になる夫。
私
「その時の録音もあるけど、
よかったら聞く?」
首をブンブン振って
人間扇風機になる夫。
私
「お付き合いして5年以上なんだよね?
レンが生まれるか、
生まれないかくらいの時から。
しかも離婚届を予め用意するくらい、
私と別れたかっただなんて…」
と、ため息をつく私。
ようやく元夫が絞り出したのは、
トウマ
「ごめん!気の迷いで!
だ、だけどあいつ、
メンタル病んでて…!
親も呼び出して、
【離婚届に署名して
印を押さないと手首を切る】
って脅してきて…!」
という、みっともない言い訳だった。
私
「ふぅん。
そんなアブナイ女に、
私と離婚できない理由が息子…
レンだって言ったんだ?」
トウマ
「そ、それは…」