浮気

優しいマイホームパパの裏の顔… 【5話】

 

ヒラリと舞い降りたものがある。

…離婚届だった。

しかも記入済み。

手に取ってよく確認してみた。

証人の欄には、ユリエの名前と

その親兄弟と思われる名前が

書いてあった。

ここまで私といるのが嫌だったのか…

そう思うと涙が出てきた。

私や息子と一緒に過ごした時間よりも、

浮気相手の方が大事だったんだ…。

虚しかったし悲しかった。

悔しかった。

だけど、これが私の離婚を後押しする

決定打になった。

私はヘソクリをつかって興信所に依頼し、

浮気の証拠を集めてもらった。

その証拠を受け取った直後、

自宅に思いもかけぬ来訪者があった。

ピンポーンと鳴るチャイム。

その日、丁度荷物が届く予定だったので、

私は何の疑いもなく

玄関のドアを開けてしまった。

 

 

ユリエ

「ねえ!

トウマとなんで別れないの!?

トウマが可哀想じゃない!

 

 

と、血走った目で

不躾なことを喚いたのは、

夫の浮気相手・ユリエだった。

ヤバい、家の場所を知られている!

息子が幼稚園から帰ってくるまで

まだ時間がある。

なんとかしてそれまでに

帰って貰わないと…。