浮気

優しいマイホームパパの裏の顔… 【4話】

 

息子には父親が必要だとは、

夫の言う通りだと思う。

悔しいけど。

だけど、偽りの家庭の中で

ずっと育っていく方が、

成長した時の歪みに

なるのではないか…。

私は眠れぬ夜を

そんなことを考えながら過ごした。

【離婚】

この二文字が過ぎる日々。

私は夫にお弁当を作るのも

嫌になってきていた。

 

 

「ごめん、このところ
 
体調が良くないみたいなの。
 
しばらくお弁当は

お休みしてもいいかな?」

 

 

と、夫に申し出ると

 

 

トウマ

「大丈夫なの?熱は?
 
お腹が痛かったりしない?
 
お弁当なんて気にしないで!
 
俺は外食でもコンビニでも
 
何とでもなるよ。

あ!夕飯はどうする?
 
食べやすいものでも
 
デパ地下で見繕ってくればいいかな?」

 

 

こんな風に心配してくれる夫。

どこまでが本心で

どこまでが演技なんだろう…。

別れると決意しても、

夫の優しさにほだされてしまう。

私はストレスで体重が

5kg近く落ちてしまった。

そんな私を心配する夫。

私は見えない鎖で

雁字搦めにされている気分だった。

ある日、夫の部屋の

掃除をしていたところ、

押入れが開きっぱなしだった。

なんということはないはずなのに、

どうしてか気になる。

私は自分の気持ちを押さえられず、

布団をひっくり返してみた。