もう仰天だ。
厨房に割り当てが無い私が、
料理を置けるはずなどない。
仕事に参加する前、
すべて冷蔵庫に収めさせてもらっている。
板長だけだ、
私の飛び入りを知っているのは。
料理を捨てたという、
この業界の者にとっては、
聞き捨てならない重大な言葉が飛び出したので、
仕事に集まった親戚一同は、
目も耳も、
こちらに集中させている。
その気配を感じつつ、
私も声をうわずらせた。
私「私の
料理ではないですよ、それ」
義母「え。はあ?」
私「私、今日は仕事です。
お義母様、仕事をご存じですよね」
知らないとは言わせない。
それこそ、何年、
うちと親戚付き合いしてきたというのだ。
私の何倍も長いのだから、
仕事の意味が分からないなど、
義母が言い訳しても
誰一人として納得しないだろう。