大まかな内容を決め、話し合い、
最終調整して、正式に献立とする。
1年間で、4回はこれをやるのだ。
またその時期が近付いてきた。
義母「キヌ子さん、お願いね」
例によって、お願いという名称の、
実態は命令がきた。
義母「来週の土曜日に、
二十四(にじゅうし)節季(せっき)の
献立合わせの会があるわね。
今回は、キヌ子さんも参加して」
私「わ、私がですか」
予想外だった。
献立合わせの会は、
「茶家(ちゃけ)」であるこの家と、
懐石料理を仕立てる
「受け持ち家(け)」が集まり、
料理の見本を持ち寄って品評し、
次の季節からお出しする献立を決定する、
話し合いの場だ。
1年に4回ある。
これまで、私はお呼びではなかった。
それは当然の事で、
多少は教えられているとはいえ、
専業料理人ではない。
あくまでも嫁のたしなみ程度だ。
私の参加など、父が許さないはず。
父だけではなく、料理を出す
「受け持ち家(け)」は、
私の実家以外にも二か所ある。