嫁いびりが大好きな義母が親戚の集まりで『まずい料理作るな!』と、料理を捨てた結果… 【6話】

 

そういう考えから、

父が、私を調理場へ追い立てて、

泣くまで特訓したものだ。 

 

このような一種の修行を、

実家では「お仕込み」と呼んでいる。 

少なくとも和食の膳を

ととのえる事にかけて、

相応の自負があった。 

その料理を 

 

義母「美味しくないわ。 

何だか、化学調味料の味がする」 

「おだしは何を使ったのかしら。 

えっ、合わせだしなの?

お魚のお煮つけに、カツオを? 

魚に魚の味をかぶせるのは、

ご法度ではなくて?」 

 

ちくちくとけなす。 

化学調味料は使っていません。 

合わせだしではありません。

昆布と干しシイタケの

精進(しょうじん)だしです。 

 

はっきり言いたい。 

指摘したい。 

でも、言っても無駄だ。

口答えと受け取られる。 

仕方がなく 

 

キヌ子(しきたりのお仕込みに、

口答えは厳禁よ) 

 

言いたいことを飲み込む。