自分も、それなりに続いた
家の出身だという自覚…
…そうじゃないかな。
要は、自尊心があった。
キヌ子(これは嫁いびりじゃない。
しきたりのお仕込み)
ずっと自分に言い聞かせ、
反抗するなんてとんでもない。
そう思っていた。
しかし、料理にケチをつけられた時は、
正直に言って
キヌ子(いくら何でも、これはない)
侮辱かと思った。
料理人ではないとはいえ、
一通りは教育されてきている。
茶道では、懐石料理がつきものだ。
その、茶を教えるお宅とのお付き合いが
ある家の娘は、
料理にも通じていなければならない。