ハヤテ母
「でも、
そちらの条件を受け入れれば、
結婚は
してくださるのでしょう?」
逆ギレよりはマシだけど、
やっぱり思考がぶっ飛んでた。
ここで黙って成り行きを
見守っていた父が、キレた。
父
「結婚前から平気で
浮気をするようなクズに!
誰が大事な1人娘を
渡すものか!
貴様ら、2度とうちの敷居を
跨ぐなああああ!!」
父の剣幕にハヤテと母親は
慌てて我が家を
飛び出していった。
こうして私たちの婚約を巡る
騒動は無事に幕を閉じた。
結局、婚約していたかどうかは
微妙なカンジなので
ハヤテからの慰謝料は
雀の涙ほどしか取れなかった。
けれど、会社では私に
プロポーズをすると
触れ回っていたから、
婚約破棄になったこと、
その原因が浮気であることは
すぐに噂になってしまった。
ハヤテを可愛がっていた
上司も、同じ会社の女性に
酷い仕打ちをする部下に
目を掛けることはなくなった。