私
「大船…ですか。泥船の
間違いじゃありませんか?
それがごく普通であたりまえの
条件だと仰るのであれば、
結婚相談所にでもそのまま
持ち込めばいいのでは?
異常であれば相談員さんが
条件の緩和か撤廃を
進言してくれるでしょうし、
当然ならば条件に
マッチする女性を
紹介してくれるでしょう。
あ!もしかして現実に私以外の
婚約者候補が
いらっしゃるのでは?」
負けじと私も捲し立て、
最後の方で
ハヤテの方に視線を向けた。
奴は頬を紅潮させ、
額から汗を流している。
焦ってる、焦ってる(笑)
ハヤテ母
「んまあああ!
生意気な!
うちの子はあなたをぜひに!
と言っているのに!
その気持ちを
踏みにじる気なのね!?」
ここで我が母上が参戦。
母
「お言葉ですけど、
最初にうちの娘の心を
踏みにじったのは
どなたですか?
ハヤテさんとお母様ですよ。
黙って聞いていれば、
随分と御大層なお考えを
お持ちのようですが!
私は夫と共働きでしたが、
家事も育児も二人三脚で
これまでやってきました。
人として身の回りのことを
一通りできるように
娘にも教育してきましたよ。
母お互いに力を合わせて
暮らしていく、
相手を尊重する。
それが我が家の価値観です」
母はハヤテと母親の
真似をして、結婚の条件を
一覧にした紙切れを提示した。