モラハラ

彼氏からのプロポーズ…その後、とんでもないことに【4話】

 

「違う、違うよ!

逆だって。

こんな条件、

受け入れる人なんていないよ」

 

ハヤテ

「何を言ってるの?

全部、常識的なことしか

書いてないでしょ?

キヌ子ってそういうことに

無頓着な家庭で育ったの?

大丈夫?

これから母さんに

1から教えてもらえば

いいんだよ。

キヌ子ならやれるよ」

 

「ありえない…。

私、失礼するわ」

 

ハヤテ

「あ、待って!」

 

天国から地獄の底に

叩き落された気分だった私は、

ハヤテをレストランに

置き去りにしてさっさと

エレベーターに乗り込んだ。

 

これまで具体的に

結婚の話はしたことが

なかったにしろ、ここまで

結婚観というか夫婦としての

価値観が違う人だとは

夢にも思わなかった。

 

自分の考えや思想を絶対だと

思っていて、歩み寄りの

姿勢すらないことも

不安材料だった。

 

それでも、まだハヤテ本人の

ことは好きだという気持ちはあった。

 

最悪な記念日の後、

ハヤテからは電話の着信や

LINEがひっきりなしに届いた。

着信はミュートにして出ず。

 

LINEにはしきりに

弁明の言葉が並んでいた。