モラハラ

彼氏からのプロポーズ…その後、とんでもないことに【3話】

 

ハヤテ

「はい、これが契約書。

ちゃんと目を通して」

 

そうやってハヤテは鞄の中から

ファイルを取り出すと、

ステープラーで留められた

紙束を私に寄こしてきた。

 

ハヤテ

「ゆっくりでいいから。

ペンと朱肉は

俺が持ってるから大丈夫。

印鑑の用意はしてないでしょ?

拇印でいいよ」

 

なにこれ?

と思いながら目を通すと、

目が点になってしまった。

 

曰く、結婚後の家事・

育児は全て妻が担う事。

 

曰く、夫が常に気分よく

過ごせるように

常に気を配ること。

 

曰く、夫の両親には

誠心誠意尽くし、口答えは

一切しないこと。

 

などなど。

 

さだ〇さしの「関〇宣言」が

可愛く思えるほど、

夫と義実家に妻は絶対服従!

な条件が、これでもかと

並べ立てられていた。

 

いくら結婚を夢見ていた

私だとしても、

これはおかしいと

思えるくらいの

理性は残っていた。

 

「これ、本気?」

 

驚きの余り、こう発するのが

やっとだった。

 

ハヤテ

「もちろん!

うちの母親とよく話し合って

決めたんだよ。

あ、でも、かなり条件を

緩めたところもあるから、

もっとたくさん

頑張ってくれてもいいんだよ」

 

と、契約書の内容が

おかしいことに

全く気付いていない。