モラハラ

彼氏からのプロポーズ…その後、とんでもないことに【2話】

 

私達は他愛無い会話を

交えつつ洗練された食事に

舌鼓を打った。

 

食後のコーヒーの香りで

その日の余韻に浸っていると、

ハヤテはおもむろに

小さな箱を取り出して、

私の目の前で開けた。

 

小さなダイヤモンドが光る、

指輪が入っていた。

 

ハヤテ

「キヌ子。

俺と結婚して欲しい」

 

正直に言うと、

1周年の記念日で、

オシャレな高級レストラン。

 

期待していない

はずがなかった。

 

「はい!私こそ、

どうぞよろしくお願いします」

 

私は胸がいっぱいになって、

そう返事をするのが

やっとだった。

 

ハヤテは私の左手の薬指に

指輪を嵌めると、

こう切り出した。

 

ハヤテ

「良かった!

じゃあさ、

結婚後の条件を確認しようよ」

 

ええ!?

この場でそんなことをするの?

ちょっと雰囲気が

壊れちゃわない?

っていう気持ちと、

「毎朝大好きって

お互いに伝える」みたいな、

可愛い約束事かなって

微笑ましい気持ちがないまぜに

なっていた。

 

けど、ハヤテの持ち出してきた

条件は予想の遥か

斜め上を行っていた…