私達は他愛無い会話を
交えつつ洗練された食事に
舌鼓を打った。
食後のコーヒーの香りで
その日の余韻に浸っていると、
ハヤテはおもむろに
小さな箱を取り出して、
私の目の前で開けた。
小さなダイヤモンドが光る、
指輪が入っていた。
ハヤテ
「キヌ子。
俺と結婚して欲しい」
正直に言うと、
1周年の記念日で、
オシャレな高級レストラン。
期待していない
はずがなかった。
私
「はい!私こそ、
どうぞよろしくお願いします」
私は胸がいっぱいになって、
そう返事をするのが
やっとだった。
ハヤテは私の左手の薬指に
指輪を嵌めると、
こう切り出した。
ハヤテ
「良かった!
じゃあさ、
結婚後の条件を確認しようよ」
ええ!?
この場でそんなことをするの?
ちょっと雰囲気が
壊れちゃわない?
っていう気持ちと、
「毎朝大好きって
お互いに伝える」みたいな、
可愛い約束事かなって
微笑ましい気持ちがないまぜに
なっていた。
けど、ハヤテの持ち出してきた
条件は予想の遥か
斜め上を行っていた…