モラハラ

彼氏からのプロポーズ…その後、とんでもないことに【1話】

 

私はキヌ子。26歳。

 

それなりに名の知れた商社で

事務職員をしている。

 

私には職場公認の恋人がいる。

彼の名前はハヤテ。

私より2歳年上だ。

 

私達は職場で一時期同じ部署に

配属されていた時期がある。

 

その時に音楽の趣味があって

意気投合した。

私は事務職員で、取り立てて

有能でもない。

 

まあ、無能でもないとは

思ってる。

 

顔もスタイルもごく普通。

一方でハヤテは身長が

180cm弱の長身で、

爽やか系のイケメン。

 

仕事もかなりできる方で、

上司のウケも良く、

出世株と見なされている。

 

物腰も柔らかで、

人当たりも良く、営業職は

天職と思えるほどだ。

 

そんなハヤテは当然、

職場の女性達から色々な

アプローチを受けていた。

私もハヤテに憧れる

1人だったから、音楽の趣味が

一致して話題が豊富に

あることを喜んでいた。

 

休日にコンサートや

ライブなどデートをするまで、

時間は掛からなかった。

そうして徐々に距離を

縮めていき、交際開始1年目の

記念日にディナーに誘われた。

 

夜景も料理も一級品と

評判が高い、高級ホテルの

最上階にある

展望レストランだった。

 

「すごく素敵な

レストランだね。

ちょっと緊張してるかも」

 

ハヤテ

「…うん。

俺もすごく緊張してる。

キヌ子とは

ちょっと理由が違うけど」

 

「え?どうしたの?」

 

ハヤテ

「もう少し…

もう少ししたらわかるよ」