ヤスキ
「おい、キヌ子。俺、
やっぱり家計の管理は
女がするものだと思う!」
引き落とし日の翌日、
血相を変えた夫が切り出した。
私としては自分の非を認めるかと
思っていたがそうではなかった。
面倒になって私にもう1度
丸投げをするつもりらしい。
私
「なんで?私は感情的で
碌に計算もできない女…なんでしょ?
家計なんて大事なことを
任せたらダメなんじゃない?」
ヤスキ
「うるさい!
男の俺が、お前に任せるって
言ってるんだ。
女のお前は黙って
俺に従えばいいんだよ!」
昭和の男尊女卑かな?
いまはもう21世紀なので、
女の私でも黙って従うわけがない。
私
「え!?ついこの前まで
【自分で管理する】
【女なんかに任せられない!】
って息巻いていたのに、それぇ!?」
と大げさに驚いてみせた。
ヤスキ
「いや、ほら、
キヌ子が使える金が増えたら
何に使うかわからないじゃないか!
どうせ化粧品や洋服みたいな
くだらないものに浪費するだろ!?
これはお前のためでもあるんだぞ!」