義父は私達が結婚する前に
既に〇くなっている。
結婚の挨拶に行った時も、
義母
「まあ!こんなにいいお嬢さんが
ヤスキのお嫁さんに
なってくれるなんて!」
義母は大歓迎をしてくれた。
義姉は義姉で、
義姉
「私には弟しかいなかったから、
可愛い妹ができて嬉しいわ!」
と喜んでくれた。
しかも、2人とも大歓迎といえども
適度な心地よい
距離感を取ってくれる。
気を回してくれるけど
決して押し付けじゃない。
私を家族の一員として迎え入れてくれて、
ときには女子会のような
楽しい時間を過ごせていた。
夫の欠点を補っても余りあるほどの
良トメ・良コトメなのだ。
せっかくこんなに
良い人たちと巡り合えたのに、
縁が切れてしまうのは非常に惜しい。
そう悩んでいる日々だったが、
ある時決定打が起きてしまった。
外出先のことだ。
その日は休日で、電車の中も
比較的空いていた。
そこにベビーカーで
赤ちゃんを連れた女性が
乗って来たのだ。
少し前までは電車の中は
ベビーカーを畳むのが常識だった。
けれど、今は折りたたむ必要がない。
それなのに夫は、
私の横で軽く舌打ちをして
そのお母さんを見ていた。
更に悪いことに、
電車から降りる時に
ドアの横のお母さんに、
ヤスキ
「迷惑だな!
これだから女は…!」
と暴言を吐き捨てたのだ。