義兄
「こんな場所で、
何やってるんだ!」
義兄の怒気を含んだ声に
驚いた2人。
サッと体を離した姉は
足元を見つめて項垂れるばかり。
反対に、夫は言い訳にも
ならない言い訳を並べ立てて
夫「誤解ですよw」
と終始馬鹿にした
口調だったそう。
頭にきた義兄が胸倉をつかんで
問いただそうとしたところ、
取引先から
スマホに着信が入った。
電話に気を取られた
一瞬の隙をついて、2人は
逃げ出した。
タクシーから降りてしまった
義兄には車で逃亡する2人に
追いつく手段もなく、
捕まえられなかったという。
私も頭を抱えたくなった。
消沈した空気の中、義兄が
疲れた声で問いかけてきた。
義兄
「俺はもう、
君のお姉さんとは夫婦として
やっていけない。
トウ子ちゃんはどうする?」
私
「私も同じです。
夫と離婚したい。」
その日は義兄と一緒に深夜まで
夫と姉の帰りを
待っていたけれど、2人とも
姿を現さなかった。
義兄は翌日、
家へと帰って行った。
ヒナちゃんは引き続き、
私が面倒を見ることになり、
その間の生活費などは
義兄が改めて
支援してくれることになった。