私への態度とは正反対に、
姉に対する夫のデレデレな態度は
相変わらずだった。
相変わらず貢物をし、
姉も抵抗なく受け取っていた。
大きく事が動いたのは、
ヒナちゃんの健診の日だ。
このところ体調が
良さそうだったので、
姉に一緒に行かないかと
誘ってみたのだ。
ところが、姉は急にサッと
顔色を変え、
首を横に振った。
これまで病院には私が
連れて行っていたが、
今更行くとなると
他人の目が気になるというのだ。
かといって、いつかは
ヒナちゃんの面倒は、
母親である姉が見る日が来る。
私は最後までいなくても
良いからと説得を試みたが、
そこに
割って入ったのが夫だった。
夫
「お前なぁ…お義姉さんが
嫌がっているのに、
無理強いするなよ!!
優しさの欠片もない女だな!」
姉にいい恰好しいばかりで、
私にばかり負担を強いる夫に
我慢の限界が来た。
私
「このままだと
いつまで経ってもお義兄さんの
ところに帰れないじゃない!
ヒナちゃんだって
本当のお母さんがいいでしょう」
姉が憎いわけでもなければ、
無理強いをしたいわけでもない。
でも、ヒナちゃんにとって
両親が一緒の方が良いはずだ。
妻子と離れて仕事をしている
義兄だって可哀想だ。