美人な姉を持つ平凡な妹の
宿命ではあるが、夫からの
この仕打ちは堪えた。
だが、可愛いヒナちゃんの笑顔を
見るたびに、自分を叱咤激励して
一生懸命気力を湧かせていた。
しかし、無理は
できないものでパートの仕事にも
影響が出てきてしまったため、
私はやむなく退職した。
結局、夫の
希望の通りになってしまった。
結婚前に職場の人間関係で
鬱になりかけて
退職の相談をしたときは…
夫
「その程度のことで
弱音を吐くな!
こんなことで仕事を失うなんて、
社会不適合者と言われても
おかしくないんだぞ!?」
って責めてきたくせに…。
姉とヒナちゃんの世話に
思う所はない。
夫の言動だけが引っかかる。
そんな日々を
過ごしていくうちに、姉の状態は
少しずつ上向いて行った。
母乳が出ることはなかったが、
食事をとれる日が多くなり、
ミルクを作れる日すらあった。
私
「姉さん、最近調子が
良いみたいね。
このままなら再来月あたりには
お義兄さんのところに
帰れるかもしれないわね」
と夫に持ちかけると
夫
「お前!!
なんてことを言うんだ!
お義姉さんに無理をさせて
追い詰める気か?
それが実の姉に対する態度とは、
冷たい奴だ」
となぜか罵倒された。