ヒナちゃんを寝かしつけながら、
姉の近況を尋ねる。
私
「随分痩せましたね、姉さん」
義兄
「元々スリムな
体形だったのに、そこからさらに
体重が落ちてしまってね。」
想像以上に大変な状態だと、
私は身構えた。
今のように缶ミルクがあれば
少し違ったんだろうけど、
当時はそんな便利なものは
なかったからね。
ただ、天使のような
ヒナちゃんの寝顔を見ていると、
何としてもこの無垢な存在を
守らねばという決意も
湧き上がって来た。
その日は義兄に泊っていくように
勧めたが、仕事が
溜まっているからと
すぐに自宅へ帰って行った。
見送りの時に夫が
夫
「義姉さんのことは
僕にお任せください!」
と胸を張っていた。
いや、義理の姪である
ヒナちゃんについては
一言もないんかい!
と私は心の中で突っ込んだ。
義兄の姿が
見えなくなったとたん、夫は
夫
「トウ子。お義姉さんの面倒は
丁寧に、しっかり見ろよ!」
と強い口調で言ってきた。
私もカチンときて
私
「もちろんそのつもりだけど、
ヒナちゃんのこともあるし、
私の仕事だってあるわ。
あなたも
協力してほしいのだけど」
と返すと
夫
「たかだがパートの分際で
何が仕事だ。ちっぽけな
パート代よりお義姉さんの
世話の方が大事だろ!
お義姉さんを蔑ろに
するくらいなら辞めちまえ!!」
と鼻で笑いながら言い放った。