夫
「お義姉さんみたいに
儚げな人が、1人で赤ちゃんを
育てるなんて相当な負担だろう。
お前、手伝ってやれよ」
と言って、
機嫌が良さそうだった。
アレ?
と思いはしたが、
姉一家を支えることができるのは
願ってもない話だった。
私はさっそく、義兄に
同居の許可が
下りたことを伝えた。
週明けには姉とヒナちゃんが
我が家にやって来た。
付き添いの義兄は、
ヒナちゃんのお披露目で
会った時とは打って変わって
目の下のクマが目立ち、
明らかに心身ともに
疲弊しているようだった。
姉もやつれ切っていたが、
その様子が却って庇護欲を
掻き立てるような印象を持った。
2人の変わりように、どのような
言葉を掛けたら良いか
考えあぐねていると
夫の大声が飛んで来た。
夫
「こら!いつまで
お義姉さんを
立たせたままにしてるんだ!
鬼か!?」
とサッと姉の元に駆け寄り
夫
「よく来てくださいましたね。
お疲れでしょう。
すぐに休んでください」
と姉をエスコートして
家に入って行ってしまった。
姉の肩を
抱き寄せるのはやりすぎ…
とドン引きしていると、
義兄に抱っこされたヒナちゃんの
泣き声で我に返った。
何となく義兄と顔を見合わせ、
私は義兄とヒナちゃんを
家の中へ案内した。