浮気

15年後にいきなり家を訪ねてきた夫【4】

 

「お義姉さんみたいに

儚げな人が、1人で赤ちゃんを

育てるなんて相当な負担だろう。

お前、手伝ってやれよ」

 

と言って、

機嫌が良さそうだった。

アレ?

と思いはしたが、

姉一家を支えることができるのは

願ってもない話だった。

 

私はさっそく、義兄に

同居の許可が

下りたことを伝えた。

週明けには姉とヒナちゃんが

我が家にやって来た。

 

付き添いの義兄は、

ヒナちゃんのお披露目で

会った時とは打って変わって

目の下のクマが目立ち、

明らかに心身ともに

疲弊しているようだった。

 

姉もやつれ切っていたが、

その様子が却って庇護欲を

掻き立てるような印象を持った。

 

2人の変わりように、どのような

言葉を掛けたら良いか

考えあぐねていると

夫の大声が飛んで来た。

 

 

「こら!いつまで

お義姉さんを

立たせたままにしてるんだ!

鬼か!?」

 

とサッと姉の元に駆け寄り

 

「よく来てくださいましたね。

お疲れでしょう。

すぐに休んでください」

 

と姉をエスコートして

家に入って行ってしまった。

姉の肩を

抱き寄せるのはやりすぎ…

 

とドン引きしていると、

義兄に抱っこされたヒナちゃんの

泣き声で我に返った。

 

何となく義兄と顔を見合わせ、

私は義兄とヒナちゃんを

家の中へ案内した。