浮気

15年後にいきなり家を訪ねてきた夫【2】

 

夫は姉に会うたびに姉の容姿を

誉めそやしていた。

 

ヒナちゃんのお披露目から

2カ月ほどたった頃、

義兄から電話がかかって来た。

大抵は姉から連絡があるのに、

と不思議に思って応答すると

 

義兄「トウ子ちゃん、ゴメン。

助けてほしい」

 

いつもは快活な義兄の声が

弱り切っているし、

電話越しにもヒナちゃんが

泣いている声が聞こえてくる。

 

義兄

「最近、妻が

育児ノイローゼ気味なんだ」

 

「え?この前に会った時は

そんな様子じゃ

ありませんでしたよね?」

 

義兄

「それが…1日中ヒナと

2人きりの状況に

耐えられなくなったらしくてね。

ママ友と呼べる人も

いないようなんだ」

 

確かに姉は内向的で、

積極的に声をかけて友達を

作るタイプではない。

 

義兄の元に嫁いでも

それは変わらず、その状態で

1日中赤ん坊の世話に

追われているうちに鬱のように

なってしまったとのこと。

 

荒れ果てた部屋でヒナちゃんが

火のついたように

泣いていたにもかかわらず、

姉が呆然と我が子を眺めてたり

おしめも変えておらず

ベビーベッドに溢れていた惨状を

帰宅時に目にして、

これはただ事ではないと

義兄は気づいたそうだ。