エリ
「あんた何言ってるのよ。
トウ子がここにいて
変なわけないでしょ?
変なのは、私たちとは
何の面識もないその女が
いることでしょうが!」
タクミを問い詰めているのは、
私の友人のエリだ。
タクミ
「彼女はアケミっていう、
俺の幼馴染で…。
ハワイに行ったことがないから
誕生日の
プレゼントにと思って…」
タジタジになりながらも、
自己弁護をする夫。
友人のエリだけではない。
サークル時代の仲間たちが、
次々にカウンターにやってきて、
夫とアケミを取り囲み始めた。
実は、私が最初に用意した
サプライズとは、
私たちの記念旅行に
当時のサークル仲間も
参加してもらって、久しぶりに
盛り上がろうというもの。
私たちの結婚以来、
みんなで顔を合わせる機会も
なかったから、起業祝いと
同窓会と結婚記念日のお祝いを
兼ねようとしたんだ。
ところが、夫が妻の私ではなく
幼馴染のアケミを選んだことで、
針の筵状態に(笑)
サークル仲間A
「トウ子!
久しぶりだね。
元気そう…って、この人誰なの?」
サークル仲間B
「俺も知らない。
誰か知ってる奴いるか?」
エリ
「その人、タクミの
幼馴染なんだって!
タクミがトウ子の代わりに
旅行に連れてきたんだよ!
意味わかんないよね…!」