タクミ
「俺が開業準備で
忙しいの、わからない?
家のことはトウ子が率先して
対処してくれよ」
とお断り。幼馴染を
このタイミングでもてなす余裕は
あるのにねぇ~(怒)
腹が立ったけど、
私はグッと気持ちを飲み込んだ。
引っ越し早々に
夫婦喧嘩をするのは、
得策ではないと判断したからだ。
この通り、アケミの
ファーストインプレッションは、
最悪にも近いものだった。
ところがこのアケミ、引っ越しの
翌日と翌々日にも我が家に
凸してきたのだ。
特にこれといった用事はない。
タクミ
「よ~!アケミ!
散らかったままで悪いな。
トウ子がいつまでも
グズグズしててさ~」
と、一つも手伝わないくせに、
片付けが遅々として
進まないのを私に擦り付ける夫。
アケミ
「へ~w
引っ越しってこんなに
散らかるものなんだね~。
うちはこんな風になったことが
ないから新鮮!気にしないでよ」
と、笑顔で厭味ったらしい
マウントを取ってくるアケミ。
こういうのって
本当に男性は気づかないよなぁ…
私もさすがにピキッと来て
私
「あのさ、私も仕事を
しているのは同じなんだけど。
それに加えて家事と片付けも
全部私じゃん!!」
と抗議をしたところ
タクミ
「あのなぁ~。
アケミの前なんだから、
そういうのやめてくれよ」
アケミ
「え!?奥さん、
ちょっと怖くな~い?
私が…もしかして悪いことでも
しちゃったのかなぁ?」