浮気

幼馴染を優先する夫に盛大なサプライズをしてみた【2】

 

中々パンチの決まった挨拶を

かましてきたのだ。

なんなんだ?この人は…

と目を白黒させているうちに、

夫が

 

タクミ

「アケミ!よく来たな。

ご近所になるんだから、

いつでも来いよ」

 

なんて軽い調子で返事をして、

家に上げてしまった。

 

幼馴染改めアケミは、家に

上がってからも夫にベッタリ。

鼻につく、甘ったれた

少し舌足らずな声で

夫と談笑していた。

 

妻の目の前で、よその夫に

ここまでベタベタできるなんて、

どれだけ図々しい人なんだ、

というのがアケミに対しての

第一印象だった。

 

夫も夫で、まだ荷物が山積みに

なっている状況なのに、

 

アケミ

「引っ越しと言えば

やっぱりお蕎麦だよね~。

あ、引っ越し蕎麦!!

食べたくなっちゃったなぁ」

 

の声にいそいそと出前を注文…。

 

引っ越し蕎麦は新居で訪問客が

振舞われるもんじゃないぞ!

引っ越し祝いもナシに

なに考えてんだー!

 

って心の中で叫んでいた。

まぁ、夫とアケミに私の

魂の叫びが聞こえるはずもなく

引っ越し蕎麦を食べ終えると

アケミは洗い物を

手伝うでもなく、

そそくさと退散。

 

まるで昼食をたかりに

来たのかと。夫は夫で…

 

タクミ

「俺、仕事に必要なものを

買い出しに行ってくるよ」

 

と、引っ越しの後始末を全て私に

丸投げして外出してしまった。

 

出かけるのならついでと思って

 

「それなら、帰りがけに

ゴミ袋を買ってきてくれない?

今ある分だと

足りないかもしれないから」

 

と頼むも…