夫と夫の幼馴染の女に
制裁を加えた。
私と夫(タクミ)は、
大学時代のサークルで
出会ったことをきっかけに交際を
始め、結婚をした。
夫はしばらく企業に
勤めていたのだけれど、
一念発起して起業をすることに。
勤め人をしながら独力で
新規事業を立ち上げるなんて、
器用でハードなことは、
少なくとも夫にはできない。
当然、これまで勤めていた会社は
退職することになった。
退職にあたり、これまで
住んでいた社宅からも
引っ越さなくては
いけなくなった。
起業して何もかも
上手くいくなんて、
そんな風には思っていなかった。
ただ、私の在宅業務も軌道に
乗ってきた頃で、当面の生活費は
なんとかなりそうだった。
夫も優良な取引先も1件
確保している状態だったので、
そこを足掛かりに少しずつ仕事を
増やしていく宛てもあった。
何より、まだ子供がいない
状態だったから、子育てに
追われる前に大きな挑戦を
すべきだと考えて、私は夫を
応援することに決めた。
新居は都心まで乗り換えなしで
30分程度のマンション。
タクミ
「すごく便利だろ」
の事後報告で決まっていた。
確かに、便利だし、家賃の割に
広くて築浅と優良物件だった。
夫の事務所と兼用するとはいえ、
私も生活する場所なのだから、
相談してほしかったと
少し引っ掛かりを覚えた。
夫の幼馴染と私が最初に
会ったのは、引っ越し初日。
荷物の搬入が済み、
さあどこから手を付けよう?
という段階で
アケミ
「やっほー♪
引っ越しおめでとう!
お客さん第1号の登場でぇす!」