弟は、泣きじゃくるミチルさんを
引っ張って車まで連れて行った。
ミナト君は父が抱っこして、
車まで連れて行った。
弟たちが帰った後、私は
私
「ごめん。せっかくの食事会なのに
ダメにしちゃって」
と両親に謝罪した。
父
「いや、あの人となりだと
今後も問題を起こすだろう。
ミナトが大きくなってからでは
もっと厄介なことに
なっていただろうから、
今のうちにわかって良かった」
母
「私たちの前では気立ての良い
お嬢さんだったのにねぇ。
人は見かけによらないわ。
キヌ子も大変だったわね」
両親はむしろ私を気遣ってくれた。
両親が心配していたのは、
父
「正直、あの娘が孫の母親だと思うと、
暗澹たる気分になる。
いっそのこと
別れた方がいいと思うんだが。
まぁ、マサヒロが
判断することだからな…」
母
「そうねぇ。だけど、
離婚をしたとしても
ミチルさんは学校の先生だし、
お給料も育児のサポートも
公的機関を使えば
なんとでもなるんでしょ?
ミナト君はマサヒロから
取り上げられて
しまうんじゃないかしら…」
と、ミナト君の
親権の行方を気にしていた。