弟
「姉ちゃんもこの間ミナトを
可愛がってくれたんだって?
ミチルから聞いたよ。
ありがとね!」
何も知らない弟は
嬉しそうな顔をしている。
私
「こんな可愛い赤ちゃん、
見たことないもの。
ちょっと高くついたけどね。
10秒抱っこっていうのも
初めてだったから、
いい経験になったわ」
弟
「高くついた?
10秒抱っこ…?なにそれ」
弟は怪訝な表情をしている。
私の両親も頭の上に
疑問符を浮かべているような
顔をしていた。
その中で、血の気が引いた
顔をしていたのがミチルさん。
私
「ミチルさん、どうしたの?
具合悪そうにしてるけど大丈夫?」
冷や汗までかき出したミチルさん。
どうやら無言を通すつもりらしい。
そこで私は
私
「あらら。無視されちゃった。
赤の他人から
デリケートなこと聞かれたら、
面白くないもんね~。
ごめんね~」
と思ってもいないものの、
嫌味を込めて言ってみた。
ミチル
「お、お義姉さん!
何を突然、おっしゃるんですか…!
私はお義姉さんがしっかり者で
頼れる人だって思ってます!」