諭吉さんは追加で6人くらい、
私のお財布から旅立ってしまった。
しかし可愛い甥っ子を
やっと抱けた私は満足。
ミチルさんはホクホク顔。
ただし、抱っこ中は
カウントダウンの手を緩めるような
サービスは一切なかった(笑)。
まるで商売っ気がない。
ミチル
「ミナト、良い子ねぇ。
おばちゃんからこ~んなにたくさん
お金を貰えたのよ~。
全部あなたのおかげよぉ」
ミナト君に頬ずりをするミチルさん。
私に向き直って、
ミチル
「また来ますのでその時もよろしくね」
とご機嫌で帰って行った。
ミチルさんの気配がなくなり、
すぐに私は母に電話をかけた。
私
「もしもし、お母さん?
来週末の食事会、
マサヒロ達も来るんだよね?
私が入る余裕、ある?」
母
「あら、キヌ子。
うちで食べるから、全然大丈夫よ。
でもどうしたの?」
母は思いがけない展開に嬉しそう。
母
「キヌ子が自分から
来たいって言うなんて、珍しいわね」
私
「だって、お父さんやお母さんと私、
それにマサヒロのところの全員が
いっぺんに集ったことなんて
ないじゃない?
そろそろ仕事の目処も立ちそうだし、
せっかくだから
みんなに会いたいと思ってね」