兄弟・姉妹

自分の息子で金を稼ごうとする弟嫁 【9話】

 

諭吉さんは追加で6人くらい、

私のお財布から旅立ってしまった。

しかし可愛い甥っ子を

やっと抱けた私は満足。

ミチルさんはホクホク顔。

ただし、抱っこ中は

カウントダウンの手を緩めるような

サービスは一切なかった(笑)。

まるで商売っ気がない。

 

 

ミチル

「ミナト、良い子ねぇ。
 
おばちゃんからこ~んなにたくさん
 
お金を貰えたのよ~。
 
全部あなたのおかげよぉ」

 

 

ミナト君に頬ずりをするミチルさん。

私に向き直って、

 

 

ミチル

「また来ますのでその時もよろしくね」

 

 

とご機嫌で帰って行った。

ミチルさんの気配がなくなり、

すぐに私は母に電話をかけた。

 

 

「もしもし、お母さん?
 
来週末の食事会、
 
マサヒロ達も来るんだよね?

私が入る余裕、ある?」

 

 

「あら、キヌ子。
 
うちで食べるから、全然大丈夫よ。

でもどうしたの?」

 

 

母は思いがけない展開に嬉しそう。

 

 

「キヌ子が自分から
 
来たいって言うなんて、珍しいわね」

 

 

「だって、お父さんやお母さんと私、

それにマサヒロのところの全員が
 
いっぺんに集ったことなんて

ないじゃない?
 
そろそろ仕事の目処も立ちそうだし、

せっかくだから
 
みんなに会いたいと思ってね」