兄弟・姉妹

自分の息子で金を稼ごうとする弟嫁 【8話】

 

ミチル

「なぁ~んだ!
 
お義姉さんったら、意外と
 
物わかりがいいんですねぇ。
 
ええ、それでいいですよ」

 

 

ミチルは満面の笑みである。

 

 

「玄関で立ちっぱなしのまま
 
抱っこを代わると危ないわ。
 
それにちょっと寒いし。
 
いまパパッと片づけるから、

少しだけ待ってて」

 

 

私はそう言って、

いったんリビングに戻って

手早く準備を整えた。

そして手指を洗って消毒も済ませ、

玄関で待っている

ミチルさんを招き入れた。

 

 

「おまたせ。さぁ、
 
ミナト君を抱っこさせてよね」

 

 

と両手を広げてミチルさんに要求した。

 

 

ミチル

「ふふふ。前払い制で。
 
時間も10秒です」

 

 

と言い出した。

私は黙って最初の15,000円を渡した。

お金を触ったので、もう一度

手を除菌用のウェットティッシュで拭き、

やっとミナト君を抱っこ。

 

 

ミチル

「10、9、8、7、6、
 
5、4、3、2、1…!
 
はい、お終いです」

 

 

手早く10秒を数えると、

私の腕からサッとミナト君を

抱き上げるミチルさん。

ほうほう、そうきたか。

ならばもう少し抱かせてもらおうか。

そうやって私は、何度か追加で

抱っこさせてもらった。