私は、今日の件は自分の胸の内に
しまっておくことにした。
確かに不快な思いはしたが、
特段何か被害にあったわけでも
ないからだ。
私はその日をなかったことにして、
また日常に戻って行った。
つまりは仕事に追われる日々である。
そして久しぶりに丸1日
休みが取れたある日。
たまった家事でもしようかと
思っていた矢先、
私のマンションのチャイムが鳴った。
インターホンのカメラで確認すると、
ミチルさんだ。
腕にはミナト君が抱かれている。
ああ、もう外出できるくらいに
大きくなったんだ!
写真でしか見たことがなかったけど、
やっぱりミナト君は可愛いなぁ。
あの時はやっぱり産後間もなくて、
ミチルさんは
精神的に不安定だったんだね。
せっかく私に
湊君を会わせてくれるために
来てくれたんだから、
おもてなしをしないと…。
私のテンションは一気に上がり、
玄関に向かい
ミチルさんとミナト君を歓迎した。
私
「ミチルさんいらっしゃい!
さあどうぞ、あがって。
初めまして、ミナト君!」
私はウッキウキで
ミチルさんに声を掛けた。