ミチル
「なんだ、ちゃんと
理解しているじゃないですか。
お義姉さんは普段仕事にかまけてて、
家のことなんて疎かにしてるんでしょ?
そんなガサツな他人に、
可愛いミナトをタダで
触らせるわけないじゃないですか」
とニコニコしながら言うのだから、
恐ろしい。
こうやって他人扱いされた上に
お金を集られた私は、
お祝いする気が一気に失せてしまった。
私はため息をついて、
私
「残念だけど、
そういうことなら今回は諦めるわ。
一目でも会えればと
思っていたのだけれど。
そこまでして
母親のミチルさんが嫌がるのなら
仕方ないもの」
と言って、Uターンした。
後ろから、
ミチル
「後で【会いたい】
【抱っこさせて】って
泣きついても知らないですからね!」
と捨て台詞が聞こえてきた。
私はこの日まで
自分の義妹がこんな人だなんて
知らなかった。
恐らく、弟もうちの両親も
知らないだろう。
ということは、この話を
彼らに打ち明けたとしても、
誰も信じないだろうな…。
きっと産後ハイかなにかで、
ミチルさんのテンションが
おかしくなってしまったのだろう。