兄弟・姉妹

自分の息子で金を稼ごうとする弟嫁 【4話】

 

ドアを開けてもらっても

ミチルさんは無言。

私は自分の顔に何かついているのか、

それとも服があまりにちぐはぐなのか、

ドギマギしてしまった。

和菓子を差し出すと、

 

 

ミチル

「お義姉さん、いらっしゃい。

家に上がる前に、料金をどうぞ」

 

 

と言って、手の平を差し出す。

え?今、お土産は渡したよね?

料金…?

戸惑う私を見て、ミチルさんは

さも察しが悪いとばかりに

馬鹿にした口調で

 

 

ミチル

「ミナトに会いに来たんですよね?
 
まさか赤の他人がタダで
 
会わせてもらえるとでも?」

 

 

と信じられないことを言ってきた。

私だって出産祝いくらい

用意してきたけれど、

それをまさか他人扱いされた上に

家に上がる前の玄関で

金銭を要求されるだなんて思わなかった。

 

 

ミチル

「抱っこは1回

10,000円って決めてるんです

さ、早く」

 

 

と、さらに

手を差し出してくるミチルさん。

いくら甥っ子に会えるのが

楽しみだからといって、

コレはないだろう。

私は念のため確認をしてみた。

 

 

「えっと…、私は他人で、

ミナト君に触れる権利が本当はないけど、

どうしても触りたかったら
 
お金を払えば
 
許してくれるってことかな?」