兄弟・姉妹

自分の息子で金を稼ごうとする弟嫁 【3話】

 

両親からのプレッシャーから

解放してくれたという意味で、

甥っ子は私の救世主と

呼ぶべき存在でもあった。

そんな大切な甥っ子に私は

一刻も早く会いたかった。

しかし、急なプロジェクトを

任されてしまったため、

早朝から深夜近くまで職場に

縛り付けられる日々が続いた。

とてもじゃないが、

よそのお宅に訪問できる

状態ではなかった。

できれば出産祝いを早く

手渡したかったのだが…。

そうこうしているうちに

やっと休みが取れたので、

私はミチルさんに顔出しのアポを入れた。

 

 

「もしもし、キヌ子です。

ご無沙汰してます。

遅くなって申し訳ないのですが、

ミナト君のお祝いに行っても

大丈夫ですか?

次の日曜日はご都合どうでしょう?」

 

 

ミチルさんは愛想よく、

 

 

ミチル

「ああ、お義姉さん。

お久しぶりです。

わざわざありがとうございます。

日曜日ですね。

マサヒロ君は出かけていますけど、

私とミナトは家にいますから

どうぞいらしてください」

 

 

と訪問を快諾してくれた。

日曜日当日、私はミチルさんの

好物の和菓子を携えて、

早く可愛い甥っ子に会いたいと

うきうきした気分で

インターホンを鳴らした。

いつものように歓迎ムードで

出迎えてくれると思っていた。

しかし私は思い切り肩透かしを

食らうことになった。

まず、インターホンでも

 

 

ミチル

「今開けます」

 

 

と、かなりそっけない返事。