もちろん、
自宅の家事は完璧に。
ちょっとでも、
夫が気に入らないと
夫「勤めているときから、
そういうところ
あったよね。
ちょっと手を抜く
悪い癖だ。
確認が足りないんだよ。
書類のミスも、
そうだった」
一時間のお説教コースは
確実だった。
足りないと思えば、
食事の時間も削り、
時には睡眠まで
返上しての、お説教だ。
本人は「熱血指導」と
言っていたけど。
夫「キヌ子のためを
思って、言ってるんだよ。
俺だって食事したい、
仕事で疲れてるんだから
ゆっくり寝たい。
でも、それじゃ
キヌ子のために
ならないじゃないか。
俺の時間を削って、
教えてあげるんだ。
キヌ子を良き妻に
成長させてあげたいから
なんだよ」
長々とお説教したあとは、
決まってこう〆る。
最初の半年くらいは、
私も「彼は私のために、
自分の大事な時間を
使ってくれてる」と
感激して、まじめに
聞いていた。
少し状況が変わったのは
最近だ。
残業だと言って
遅くなった夫が、
スーツを脱いだ時、
なぜか私に
触らせなかった。