私と息子が出ていった後
二人の会話を録音するために。
電話がかかってきても
途切れないように
機内モードにした。
…予想通り、
たっぷりと録音されていた。
いざ再生すると、想像以上に
ひどい内容の会話が
繰り広げられていた。
両親たちからの電話後の会話が
特に酷かった。
ミカ
「何の電話?誰だったのぉ?」
夫
「あいつの実家から!
あいつら、
実家にも行ってないみたいだよw
親が心配してかけてきた。
風も雨も強くなってきたからなぁ。
事故にでも
巻き込まれてないかな~」
ミカ
「ひっどぉいww
風も強いしぃ
もしかしたら川に
落ちてたりしてw
それか、折れた木の下敷きに
なっちゃってるとかw」
夫「お!いいじゃんいいじゃん!ww
そしたら慰謝料とか養育費とか、
面倒な事にならなくてすむよなw」
ミカ
「だとしたらぁ!
保険料はいるじゃんww
生命保険入ってるよね?」
夫
「確かにww結婚する時、
保険かけといてよかったw
ちょうど、あいつの実家に
呼ばれたから警察に
捜索願出されないように
見張っておくわww」
自分たちの事しか頭にない
お花畑な会話の内容に、
その場が凍り付いた。
私
「これは…想像以上だったよ(笑)」
夫
「お前、盗聴するなんて汚いぞ!
犯罪だろ!こんなの!
実際は、心配して
実家に来てやったじゃないか!」
私
「心配ね…あなたの中では、
私たち2人は既に命を落とした事に
なってるって聞いたけど?
それが、心配?
それと、あなたが急いで
出て行けって言うからスマホは
置いて行くしかなかっただけ。
たまたま、
録音ボタンに触れちゃったみたい」