ぎゃんぎゃん騒ぐ彼女を
両親たちが、不快そうな顔で見る。
空気を察したのか
一瞬私を睨みつけた後、
ドカッという
大きな音を立てながら座った。
そして、シゲトを見つけると
私を睨んでいた顔は
なんだったんだ?と思うほど
可愛い顔になった。
変わり身の早さにびっくりだ。
そして、
シゲトに近づこうとした時
夫
「ッ…だれ?この人?
トウ子の知り合い?」
ミカ
「シゲ君…?何言ってるの」
ここで他人を装うとは(笑)
まだ、しらを切れると思っているんだったら
ある意味すごい。
私
「…あら?この人が誰かなんて
あなたが
一番わかってるんじゃないの?」
これから起こることを、
息子には見られたくなかった。
彼女の到着前に母に別室に
連れて行ってもらっていた。
私は彼女のカバンの中からスマホを
取り出し、ロックを解除させた。
他人のフリをされたことに
ショックを受けているのか、
案外素直に
ロックを解除してくれた。
中にはツーショット写真やら…
なにやら…いかがわしい画像が
たくさん保存されていた。
画像をシゲトの目の前に突きつけ
私
「あらあらぁ(笑)
こ~んなに証拠画像が
たっぷりあるね。
これでもまだ認めない?
この写真に写ってる人って
あなただよね?」
夫
「ッくっそ!おい!
何で簡単にロック解除してんだよ!」
ミカ「だって…だって!
シゲ君がミカの事、知らない人って
言うからじゃん!
なによ!この人だれって!!!」
私
「すみませんが、喧嘩は後で
お願いします。
それから…実は証拠、
写真だけじゃないんです。」
私は自分のスマホを取り出した。
そう…実を言うと、
家に忘れたのではなく、
置いていったのだ。