浮気

離婚を私のせいにする夫の結末…【11】

 

後から父に聞いた話では、

シゲトが私の実家に

到着した時点で

私たち2人はすでに

最悪の状況になっていたみたい。

 

なんて酷い男だ。

 

ひたすら自分のせいだ。

嘆き続けていた、と。

両親たちから同情を買うことに

徹底していたという。

 

嫁と息子の心配よりも

自分の身を守ることを優先する

シゲトを前にして、両親たちは

憤りを感じたらしいが、

抑えて次の段階へと移行した。

 

「このまま

待っているだけでいいのかしら」

 

「そうだな…。でも、この嵐だ。

我々が動いたとしても

見つけられるか…

 

…警察に相談してみるか…」

 

警察というワードに家の中には

不穏な空気が漂った。

すると、シゲトがあからさまに焦りだし

 

「え!け…警察?

それはちょっと…

大袈裟すぎないですか?

 

待っていればひょっこり

帰ってくるかもしれないのに、

わざわざ警察の手を煩わすのも…

ねぇ…」

 

そりゃそうだ。

警察が動くってなったら

近所に聞き込みされて

誰かに見られいた場合、

自分のウソがばれちゃうから。

 

自分を守るために

必死だったんだね…

 

自分の心配しかしていない

シゲトの態度に、とうとう義父の

怒りが爆発した。

 

義父

「いい加減にしろ!!

この嵐の中、2人がどんな

思いをしているのか

わかっているのか!

怪我でもしていて動けない

状態だったら、一刻も早い救助が

必要だろうが!」

 

いつも、朗らかでニコニコしている

義父がこんなにも

大声で怒鳴るなんて…。

 

それでもシゲトは

 

「…でもさっ、えっ…と…

もともと、勝手に

出てっちゃったわけだし…そう!

家庭の問題なんだから民事不介入?

ほら!!夫婦喧嘩は

犬も食わないって言うじゃんww」