息子のユウトが扉の向こうで
じっと大人たちの話を聞いていた。
実は、母がシゲトに
電話をする30分ほど前に、私たちは
実家にたどり着いていたのだ。
寒さに震えながら、
事の次第を両親に話した。
怒りに震える手で、父は義両親に
電話をし、
実家まで足を運んでもらった。
義両親が到着するとすぐに、
シゲトが家に不倫相手を家に
連れてきて離婚をする。
と、言ったことなど
細かく説明。
そして、このまま黙って
離婚届にサインをすることは
出来ないと伝えた。
義両親も、理解を示してくれ、
「本当に申し訳ない」
と、謝罪し頭を下げてくれた。
そして、「できる限りの事をする」
と、申し出てくれた。
義両親たちには何も悪くないと伝え
私
「あの人に対して父親、
そして夫として負うべき責任を
取ってもらいたいと考えてます。
ユウトの為にも
このまま黙っている事なんてできない!」
そう伝えると、
義両親も協力すると申し出てきた。
シゲトには、ちゃんと責任を
取らせるべきであると
同意してくれた。
そうして、両家で今回の計画を
立てたというわけだ。
母や義母が電話を掛けたのも、
計画のうち。
私と息子が実家に
到着していないことにして、
両方の母から電話がきたら、
どのような反応をするかを
確認するためだった。
結果、自分が追い出したことに
一切触れず、喧嘩して
私の方から息子を連れて
出ていったと堂々とウソをついた。