浮気

離婚を私のせいにする夫の結末…【7】

 

ユウト

「ママ?はい!ココア!

ママも飲んでみて!

すご〜く元気がでるよ!」

 

ユウトは自分のココアを

私に差し出した。

 

あの人のことを考えていたから…

険しい顔をしてたかな。

 

優しい言葉に涙が出そうになった。

 

「ありがとう。

本当だ!とっても美味しい!!

ママも元気になったよ!」

 

実家に電話をしようとしたけど、

スマホを家に置いてきたことを

思い出した。

 

取りに戻ったところで

家に入れてくれないだろうな

事情は直接言えばいいかと、

そのまま向かうことにした。

 

「よし!ユウト!

おじいちゃんのところに行こう!」

 

ユウト

「おじいちゃん家?

行こう!楽しみぃ!」

 

台風のせいで電車が運休していて

タクシーも、いつ乗れるか

わからないくらいの長蛇の列。

 

休み休み歩きながら

実家に向かうことにした。

 

コンビニでレインコートを

買い2人で実家を目指す。

一駅の距離とはいっても、休み休み

となると1時間弱くらいかな。

雨と風がますます強まり、

靴はびしょ濡れになり、

風によって体温も奪われた。

厳しい状況だった。

 

私たちがこんな目に合っていた時

あの2人にも

面倒なことが起こっていたらしい。

 

母が私に連絡したけど、

一向に出ないので、

自宅に電話を掛けたそうだ。

 

「あ、シゲトさん?トウ子に

電話かけてるんだけど出ないのよ。

家にいる?

代ってもらえるかな?」

 

「え?

トウ子さんは実家に行くといって

ユウトと一緒に

出ていきましたけど。

あれ?おかしいな…

まだ着いていないんですか?」

 

「なんでこんな時に!?

台風が来てるのよ!」