モラハラ

モラハラ夫の成れの果て…【27話】

 

その後、離婚手続きは

スムーズに進んだ。 

 

毎月、決まった日に

夫からの慰謝料と養育費が

振り込まれている。

 

ジロウさんの情報によると、

ヒュウガは会社で評判を

落としているらしい。

 

ジロウ

「若手社員を中心に、

『亭主関白風を

吹かせ過ぎた成れの果て』

と、ニラニラ

されているそうです」

 

ジロウ

「次にアケミさんの

近況をお知らせしますね。

事の顛末を知った両親に

勘当されたそうです。

今は夜の仕事にも手を

出しながら、

必死に働いて慰謝料を

工面しているとのことです」

 

話を聞いて、私は複雑な

思いを抱いた。

 

同情する気持ちはないが、

自業自得とはいえ、厳しい

状況にあることは確かだ。

 

私は引越しを済ませ、

新しい職場で働き始めた。

 

今は安月給の正社員だが、

自分の力で生活を築いていく

充実感がある。

 

なお、ツナツナ邸での

一件が終わった後のことだ。

 

フク

「キヌ子さん、

お疲れさまでした。

今日はもうゆっくり

休んだ方がいいですね。」

 

「ありがとうございます。

でも…このまま

家に帰るのも少し…」

 

イチロウ

「そうですね。

気持ちの整理をする時間も

必要でしょう。

実は、我々も明日までの予約を

取っていたんです。

 

キヌ子さんも、

もし良ければこちらに泊まって

いきませんか?」