夫
「グダグダうるせぇ!
お前だって俺と一緒に
楽しんでたくせに、
今更だろ!?
都合が悪くなったら
手のひら返しか。
そんな女こそ最低だろ!
クソが!!!」
浮気相手にも
暴言を投げつける夫。
アケミ
「うそ…嘘でしょ!?
ヒュウガ君…
こんな人だったの!?
怖い…怖すぎる!
こんなの無理…もう終わり!
絶対に終わりよ!」
アケミは、ヒュウガの
豹変ぶりに完全にパニックに
陥っていた。
彼女は震える手で襖を開け、
逃げ出そうとした。
フク弁護士が素早く襖の前に
立ちはだかり、
冷静な声で言った。
フク
「おっと。どさくさに
紛れて逃げないでくださいね。
ヒュウガさんと今後の交際を
続けるか、関係を切るかは
お好きにどうぞ。
でも、あなたが妻子ある男性と
男女の仲だったのは事実です。
その責任は
取らなくてはいけませんよ」
アケミ
「な、なによ。
私だって被害者なんだから!
こんな男だって知ってたら
付き合ったりしなわよ!」
イチロウ弁護士が
一歩前に出て、淡々とした
口調で説明を始めた。
イチロウ
「アケミさん。
キヌ子さんから慰謝料請求の
意向を受けています。
法的手続きに則り、
近日中に正式な通知書類が
送付されるでしょう。
この件、軽く考えない方が
いいですよ。」
アケミの顔から
血の気が引いた。
彼女の目は恐怖と不安で
見開かれ、声は震えていた。
アケミ
「ま、まさか…
通知書類って…
うちに届くんですか?
親に知られちゃう…
そんな、困ります!
何か他の方法は…」