モラハラ

モラハラ夫の成れの果て…【22話】

 

「ふざけんな!こんな茶番が

通用すると思ってんのか?」

 

そう吠えたものの、夫の声には

微かな動揺が混じっていた。

低い震える声で

 

「いつから…どこまで…」

 

アケミは顔を真っ青にし、

目を見開いたまま

震える声で言った。

 

アケミ

「嘘…嘘でしょ?

私たち、ずっと見られてたの?

こんなの…

こんなのってありえない…」

 

ジロウ

「気づかれないように

調査をするのが、

プロの仕事ですので」

 

夫は顔を歪め、憎悪と驚愕が

入り混じった表情で呟いた。

 

「大人しいと思ってた

あいつが…まさか

俺を出し抜くとはな」

 

彼は拳を握りしめ、

声を低くして続けた。

 

「はっw舐められたもんだ。

こんな仕打ち、

絶対に許さねえ…!」

 

私は冷静に、

少し皮肉を込めて返した。

 

「ありがとう。

私を過小評価してくれて。

おかげでスムーズに

証拠を集められたよ?」

 

イチロウ

「私は弁護士のカ

ツベ イチロウです。

これだけの証拠があれば、

離婚調停でも

十分有利に進められますね」

 

イチロウ弁護士が用意した

離婚協議書を

夫に突きつけると、

表情が一変した。

 

夫は顔を真っ赤にし、

目に危険な光を宿した。

 

「この俺が!お前らの

思い通りになるとでも?

この程度の芝居で

俺が屈すると思ったのかよ!」