私は冷静さを保ちつつ、
少し皮肉を込めて返した。
私「酷い?酷いのはどっち?
私、あなたとは離婚するから」
私
「だけど馬鹿に
されっぱなしは癪だから、
最後に仕返しがしたかったの。
上手く決まって嬉しいよ」
ヒュウガは
歯ぎしりしながら叫んだ。
夫
「このクソ女!
よくも俺を騙しやがったな!」
私
「何とでも。
お好きにどうぞ。あなた達が
キッチリ嵌ってくれたから
証拠もバッチリなんだよ。
これで慰謝料も養育費も
しっかり払ってもらえるね」
夫
「甘く見るなよ。お前の
思い通りにはならねぇからな」
夫の言葉が空しく響く中、
死角から、イチロウさんと
ジロウさんが
ゆっくりと姿を現した。
夫は顔を引きつらせ、
警戒心と怒りを滲ませた声で
吐き捨てるように言った。
夫
「誰だよ!?
どういうつもりで
出てきやがった!!」
ジロウ
「申し遅れました。私、
探偵のカツベ ジロウと
いうものです。
あなたたち、ヒュウガさんと
アケミさんのお2人の
浮気調査をしておりました。」
ジロウ
「ほら、見てください。
本日の決定打以外にもこんなに
証拠が挙がってますよ」
そう言って、ジロウさんは
これまでの浮気現場の写真を
ヒュウガとアケミに
見せつけた。
2人の顔から血の気が
引いていくのが分かった。
証拠写真を突きつけられ、
夫とアケミの顔が
見る見るうちに青ざめていく。